桑久保徹 海の話し 画家の話し

作家の中で見いだした架空の画家、クウォード・ボネとの対話から作品を生み出してきた桑久保徹。絵画という表現に基軸をおき、古典的な印象派の技法を用いて油絵の具を厚く塗り重ねた作品は、現代の感覚と相交わり新鮮で力強く映る。浜辺、水平線といった海の舞台を好んで描き、色調は楽しげでありながら、所在なく漂う切なさと破壊的な影が見え隠れする。それでも、宴の後のような独特の余韻を含んだ居心地の良さが混在する不思議な世界。デビュー時から最新作が並ぶ本展では、水平線が時空を超えパノラマとして眼前に広がっていた。
August 15, 2010桑久保徹は、砂浜に大きな穴を掘る不思議な風景画のシリーズで注目を集めました。これは悲しみを実感できない事で海に向かい、穴を掘り続けた経験を元に描かれたものです。その後、水平線と海岸は彼の風景に欠かせないものになっていきます。浜辺にテーブルを広げ、様々な暮らしを始め、絵を描き、壺を作り、ハタを織る。海辺のアトリエからウェディング…。「絵画は死んだ」と断言され、絵画を描く事が簡単ではなくなってしまった時代に、桑久保徹は自らの中に仮想のクウォード・ボネを設定し、その対話の中から作品を生み出しています。薄塗り絵画が浸透する中で、油絵の具を厚塗りし、あえて古典的な技法とモチーフを参照しながらも、軽やかで現代的な感性で独自の世界を描き続け、国内外で高い評価を受けています。若手アーティストの発掘・支援・育成を行うトーキョーワンダーサイトの活動は10年を迎え、大きく広がり、様々なアーティストが活躍しています。ワンダーサイトではこの節目にワンダーウォール出身の活躍するアーティストの個展を開催することにしました。昨年度の大巻伸嗣に続き、今年は桑久保徹展を開催します。デビュー当時の作品から新作の大作まで、この10年間の精力的な作家活動を概観します。
桑久保徹 KUWAKUBO TORU
1978年生まれ。2002年にトーキョーワンダーウォールに入選後、トーキョーワンダ―サイトにおいて、「TWS-Emerging 038 うみべたの画家」(2003年、TWS本郷-個展)を経て、GEISAI#5(2004年)、「フロム・スクラッチ BLOOMFIELD」(2005年、TWS渋谷)、「SCENERY OF TOMORROW」(2007年、ベンディクセン・コンテンポラリー・アート, コペンハーゲン)、「ポートレイト・セッション」(2007年、広島市現代美術館)、「アーティストファイル2010」(2010年、国立新美術館)、「Out of Noise」(2010年、ギャラリー・ヒュンダイ、ソウル)など、国の内外の個展、グループ展に参加する活躍目覚ましいアーティストです。
本展は初公開となる最新作を中心に、さらに代表的なペインティングのシリーズ、ドローイングを加え、これまでの軌跡を辿る構成となっております。制作は架空の画家を設定し、自らそれを演じながら描くといった方法で行われ、油絵具を分厚く盛り上げるタッチにはあたかも印象派の技法を思わせるものがあります。モチーフには海が多く用いられ、そこに表される、海辺に穴を掘る人々や海面を漂う花々、海辺に繰り広げられる不思議な光景などが、その心象風景とでも言うべき独特の場所へと観る者を誘います。また開催に際し、最新作の図版を含むカタログを刊行いたします。
【アーティストトーク】
9月11日に、桑久保徹によるアーティストトークを開催いたします。詳細は、当サイトにて発表いたします。
トーキョーワンダーサイト渋谷日程終了
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| エリア | 渋谷 |
| 住所 | 東京都渋谷区神南1-19-8 |
| アクセス | JR、東京メトロ、東急線、井の頭線渋谷駅より徒歩7分 |
| 電話番号 | 03-3463-0603 |
| 会場ホームページ | http://www.tokyo-ws.org/ |
| 日程 | 2010年8月7日~2010年9月26日 |
| 時間 | 時 間:11:00 - 19:00 |
| 料金 | 入場料:無料 |
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